最終更新日 2023年8月5日
仏壇といえば和室に飾られている大きなものが印象的です。
金仏壇とも呼ばれ日本に古くから伝わる技法を最大限に活用したものであり、田舎には必ずといっていいほどこうした大きなものが存在します。
ところが、近年は昔からそうしたものがあったというケースはあるにしても新しく購入するケースはスペースが確保されているところに限られます。
しかも和室に設置するため、和室でそれだけのスケールのものが置けるとなるとかなり絞られてしまいます。
特に都市部で設置することは非常に難しいです。
そんな中で近年登場し、人気を集めているのが都市型仏壇です。
最大の特徴は周囲との調和がとれる点です。
開閉式になっており、閉めている時は家具にしか見えません。
使用する時だけ扉を開けて手を合わせれば大丈夫です。
シンプルな造りになっており、技術を凝らされているものではないですがだからこそどこでも置けるのが最大のメリットです。
ナチュラルなものであるため、例えばテレビの横やフローリングの上などに設置しても違和感があります。
もちろん和室の上に置くことも可能です。
和室や洋室はもちろん、部屋の広さに関係なくどこでも設置できるのは大きなメリットです。
都市型仏壇はこうした家具のような形のものだけではありません。
近年は壁掛けタイプのものも登場しています。
壁掛けにすることでおしゃれな形にできます。
LEDライトが間接照明のような形になっているため、それもまた味わい深さを出しています。
これなら来客者があってもそれが仏壇だとは思われません。
部屋のインテリアとしても機能しており、おしゃれな部屋に住んでいたとしてもその雰囲気を全く壊さすことなく設置できます。
値段もそこまで高いわけではないため、マンションなどに住んでいる人でも簡単に設置できるため、おすすめです。
宗教色をあまり出したくない人にも都市型仏壇は重宝します。
田舎に置いてあるようなものは宗教色が出やすく、宗派が違うような場合は常に複雑な心境を抱きながら手を合わせることになってしまいます。
都市型のものはこうした宗教色が全く出ないようなものが多く、インテリアにかなり寄せたものもあります。
この場合、値段も非常に安く10万円程度で用意できるため実家にはちゃんとしたものがあるけれど家にも手を合わせる場所を作りたい時におすすめです。
多様な考え方を持つ人が家族にいる場合にはこうしたものを用いてそれぞれで手を合わせていくのも最近の考え方です。
位牌などもそれらに合わせてモダンなものが多くなっています。
位牌といえば黒塗りのものや木のものをイメージしますが、最近はクリスタルの位牌が登場して都市型のものに設置する際に違和感がないようにしてくれます。
クリスタルの位牌はとても透明感があり、なにも書き込まずに設置すればそれが位牌とは思われないほどスマートなデザインです。
もちろん文字を刻んでいくことも可能ですが、リビングなどに設置することを考えるのであればなにも刻まずにやっておくことをおすすめします。
多くの人が持つイメージはこうした部分でも変化を見せつつあります。
仏具で考えれば、仏具セットもモダンさがさらに強調されています。
ガラスに純金を混ぜて赤くしたものや陶磁器、シルバーゴールドタイプや黒く光ったものなど数多くあります。
手作りのものはそこそこ高いですが、トータルでコーディネートする場合には仏具選びにも妥協は許されません。
リビングにも置けるものは外見だけでなく、その中身もおしゃれさが問われます。
外見だけではモダンでも、扉を開けたら今までの位牌や仏具だったというのでは異様さが出てしまいます。
全体を考えてから設置することで、おしゃれさを損なうことなく利用できます。
他にも骨壷や写真立てなど今までには考えられないようなおしゃれなものが数多く存在します。
写真立ては普段使っていたものでも問題はなく、お葬式で使われるような黒縁の額に飾る必要はありません。
むしろ都市型のものはそうした既存のイメージとは画するところにあるため、逆にその方が浮いてしまいます。
だからといって華美なものは全く合いませんが、常識的な範囲と照らし合わせながら自分がこれだと思ったものを使用していけば大丈夫です。
どんなものであったとしても、自宅でご先祖様に手を合わせるという姿勢だけでもご先祖様からすればとてもうれしいことです。
歴史としてまだ数十年程度であり、ここに追随する仏具屋も少ないのが実情です。
ただ今後都市型の住宅が増えていき、需要が高まるのは十分に考えられます。
その際にもし自分たちの部屋に置くならどういうものがいいかと考えるのは大切です。
またお墓が遠くにある場合は頻繁に足を運ぶことができません。
そうした時も部屋に置いておけば毎朝手を合わせてから会社に行くことや学校に行くことも可能です。
それぞれのライフスタイルに合わせた形を模索していくことが今後問われていきます。