音楽大学に通うメリットとデメリットとは何か

最終更新日 2023年8月5日

ヴァイオリニスト

■音楽大学のメリットとは?

音楽大学に通うメリットは何かというと、まず将来的に音楽関係の仕事をしていく上で、不可欠な経歴を得る事が出来るという点です。

また専門的な作曲家や研究者の教員が作ったカリキュラムで学ぶ事によって、音楽に対する考え方や解釈の仕方、演奏をきちんと修正する事が出来るという点も大きな魅力です。

大学できちんと基礎だけでなく実力を磨いていく事によって、大きなチャンスをつかむ事にもつながりますし、マンツーマンのレッスンで礼儀作法に厳しい先生に叱られたり、沢山の人の前で演奏をする事もあるので、精神的にタフになるという事もあります。

他にも演奏時には楽譜を覚えないといけないので、自然と記憶力が上がるという点もメリットです。

授業では、レッスンが組み込まれている事もあるので、有名な先生の授業を受ける事が出来たり、成績が優秀であれば、海外から著名な先生を招いて行われる公開レッスンに参加するチャンスがあるというのもメリットの一つとして挙げられます。

■音楽関係の人脈を作れる環境がある

それから音楽関係の人脈を作れる環境があるというのも魅力の一つですし、日常的に音楽に接する事が出来る環境に身を置く事になるので、自分の実力を伸ばす事が出来ますし、合わせて同じ音楽関係で働くという目標を持った友人に出会えるというのも大きなメリットです。

音楽の世界は実力の社会なので、生徒の上下関係もそれ程なく、上級生とも音楽でのセッションを行う事で仲良くなれます。

あと他の大学生と接した時に、好印象をもってもらいがちという点もメリットです。
特に女性だと音楽大学に通っているというだけで家柄が良さそうとか、お嬢様というイメージがあるのでかなりもてるというケースがあります。

■音楽大学のデメリットとは?

一方デメリットは何かというと、とにかく学費が高いという点です。
一般の大学と比べても2~3倍高く、学費の他にも楽器代や、大会や発表会等に参加する時の衣装代等費用がかかるのもデメリットとして挙げられます。

楽器の用意やメンテナンスにも当然費用がかかります。
特に高い楽器だと100万円以上するものもあり、定期的なメンテナンスにもお金はかかるので、楽器の維持費だけでもかなり苦しいです。

その為、アルバイトをいくつもしたり、奨学金を利用している生徒も多く、卒業後も車のローンに匹敵するような額を返済しなければならないので大変です。
それでも親の支援がないとかなり厳しいので、音楽大学にお金持ちの子供が多いというのも納得出来ます。

また楽器にしても歌うにしても、校内では大きな音が出るので、校舎が比較的都会より地方や郊外にある事が多いので、通うのが大変という点もあります。

それから大学では女性の比率が多いので、女性の学生だと中々異性との出会いが少ないというのもデメリットです。

一般の大学だと飲み会やコンパなどが頻繁に行われますが、音楽大学だと男性は少ないですし、都会から離れた場所にありますし、勉強も忙しいので参加する事が難しく異性と中々出会えないというのもデメリットです。

■社会常識が欠如する恐れがある?

他にも音楽大学は芸術肌の人達が多いので、そういう特殊な人達に囲まれて勉強をしていると、社会常識が欠如する恐れがあり、就職して一般社会に飛び込んだ時に変人扱いされて浮いてしまうという点もあります。

あと先生との関係性が難しいという点もあります。授業の中にはマンツーマンで教えてもらう場合もあるので、色々な感情が出てきやすいです。
公私をきちんと分けられる先生や生徒なら問題ありませんが、中にはそれを超えてしまう人もいるので注意しましょう。

それから就職先が中々ないというのもデメリットの一つです。
何故なら、音楽に関わる仕事の数自体がそれ程多くなく、特にクラシック関係だと特に狭き門だからです。

せっかくプロの音楽家を目指して入学する事が出来ても、就職先は数が少ない上に実力社会なので、プロになれず夢が破れてしまうという事もよくあります。

■就職に苦労する傾向にある

卒業後には、交響楽団や管弦楽団等に入り、クラシック奏者として活躍するのが一般的ですが、日本だとこうした楽団などの活動は、一般的な職業と比べても収入が低い事が多いので、楽団員だけの収入で食べていくのは難しいです。

少しでも生活費を稼ごうと、副業をしようとしても、演奏会以外は練習もしなければならない為、忙しく中々出来ません。

就職先があったとしても、正社員という雇用形態がなかったり、運よくレコード会社等に入る事が出来ても、芸術家肌の人は会社勤めに向かない為、せっかくは入れた会社をすぐに辞めてしまったり、音楽大学出身者は、ロックやアイドルといったポップ系にはあまり詳しくない為、順応出来ないという人も多いです。

中には会社や楽団を辞めて、音楽教師になったり、音響スタッフやゲーム音楽の製作スタッフになったりする人もいますが、こうした人もごくわずかです。
その為、近年では一般の起業に就職する人も少なくありません。

このように就職するのが難しいというのはかなり大きなデメリットです。