民泊のメリットや魅力について前田氏が解説

最終更新日 2023年8月5日

前田氏

前田裕幸氏が考える民泊のメリットや魅力とは

日本へ訪れる外国人観光客が急増したことにより、民泊は注目を集めています。
東京オリンピックが2020年に開かれることを考えたときに、宿泊施設が不足した際の助けにもなることでしょう。

外国人から絶大な人気を誇るという印象を持ちますが、自分たちが宿泊者になる可能性もあれば、反対に提供者として貸し出す場合も考えられ、それぞれにメリットはたくさんあると言えます。

そもそも民泊とは一般の民家に宿泊することを指し、空き物件や別荘、自宅の一部の部屋を貸し出して宿泊サービスを提供するものです。
民宿と異なる点としては、どちらも宿泊サービスを提供することに変わりはありませんが、民宿は宿泊用の設備がととのえられた部屋に定められた対価を払い宿泊してもらうサービスを指します。

民宿の場合には旅館業法の規制の対象となり、自治体の許可を得なくてはなりません。

注目されるようになった最大の理由は、日本へ訪れる外国人観光客の増加によるものです。
現在と10年前を比較した場合には、その数はおよそ3倍以上に増えていると前田 裕幸は言及しています。

2020年の東京オリンピックに向けて新たなホテルが相次いで建設されてはいますが、オリンピックでは4000万人の来日を目標に掲げていて、この数の外国人観光客を宿泊施設がすべて賄うことは難しく、宿泊施設不足の解消としても期待されています。

ホテルでは味わうことができないそれぞれの土地の文化や生活を体験できる

宿泊する側のメリットとしては宿泊費の安さはもちろんのこと、ホテルでは味わうことができないそれぞれの土地の文化や生活を体験できるという点です。
昔ながらの民家に宿泊することができたり、部屋の借り主と食事を一緒にとったり、中には一緒に観光に行くなど現地の人とかかわることができ、楽しい旅の思い出の一つになることでしょう。

しかし様々な問題点も同時に挙げられます。
まず第一に一般の住宅に宿泊者が出入りすることになるため、近隣トラブルが実際に発生しています。

治安面での不安もありますが、ごみ出しやマンションの共用部分の利用マナーや騒音問題など様々なトラブルが問題視されています。
不特定多数の人が出入りするため清掃もいきとどかず、衛生面での問題も大きくなっていて、これ以上問題視されるようになると感染症の対策なども必要になってくることでしょう。

日本人と同じ感覚で提供すると思わぬトラブルになる可能性も・・・

これまでに実際に会ったトラブルの例としては、まず部屋を提供する側のトラブルがあげられます。
例えば部屋の置き物を壊されてしまったり、禁煙と伝えているはずなのにたばこを吸っていた、そのほかにも文化の違いや習慣、考え方の違いにより、様々なトラブルが起こっています。

また部屋では騒がないようにという注意はしたものの、騒ぎの感覚は人によって異なり、宿泊者としてはみんなで楽しく食事を食べていたつもりであっても、実際には深夜まで大声でしゃべったり歌ったりを続けていたというケースがありました。

宿泊を提供する側になり部屋を貸す場合には、宿泊者は外国人というケースがほとんどです。
日本人と同じ感覚で提供すると思わぬトラブルになる可能性もあるので、事前に細かい確認をする必要があります。

事前に宿泊者に注意や確認をしておくことにより防げるトラブルも多いので、提供する側も十分に注意しなければならないでしょう。

民泊には現在三つの種類が存在する

民泊には現在三つの種類が存在し、それぞれに特徴がみられます。
まずは特区民泊と呼ばれるもので、これは国からの認定が必要なもので、現在では東京都大田区と大阪府の一部で運用が始まっています。

そして農家民泊は農業や漁業を営んでいる民家に、体験を目的に宿泊するものです。
提供者は農業や漁業従事者に限られてくるでしょう。

最後にイベント民泊は年に1回から2回ほど大規模なイベントが開催される際に、宿泊施設が足りなくなると予想された時に一時的に認められるものです。
自治体から要請があった場合に許可が与えられますが、近年では人気グループのコンサートの開催時に認められたケースが有名です。

そして住宅を提供する人が住宅内にいるかどうかという点でも分類されます。
家主が居住するタイプは、住宅の中に住宅を提供する人が居住しているものです。

住宅の一部の部屋などを貸し出して宿泊をしてもらい、一緒に食事をしたりすることもあるでしょう。
反対に家主が不在となるタイプの場合には空き家や使われていない別荘、住宅提供者が不在の住宅などを提供することになります。

このように将来性や魅力、様々なメリットにあふれた注目のビジネススタイルであることがわかります。
ホテルが満室だから、安いからなどの理由で利用するだけでは非常にもったいないものです。

せっかく利用するのであれば、その時だけでしか味わえない貴重な体験やイベントを楽しみながら、旅先の空気感に浸ってみるのもよいでしょう。
一方で治安や近隣トラブルなどもまだまだ問題となっているので、提供者も宿泊者もどちらも気持ちよく利用できるように、早急な整備が求められるといえます。